現状渡しのメリットデメリット

  • 2023.09.27.

    売却

    現状渡しのメリットデメリット


「家を売りたいけれど、建物が古過ぎて修繕費が不安」という方はいらっしゃいませんか。
とくに相続物件などは何十年も前に建てられたものが多く、それなりに劣化が進んでおり修繕費も高くなりがちです。
このような場合、現状渡しでの売却を検討してみてはいかがでしょうか。
この記事では、現状渡しとはなにか、どのようなメリットとデメリットがあるのかをご紹介します。
八王子市にお住まいで、不動産売却時の修繕費について不安がある方は、ぜひ参考にご覧ください。

不動産売却における現状渡しとは?

はじめに現状渡しの概要と、現状渡しを検討する際に押さえておきたい法的責任について解説します。
現状渡しとはそのままの状態で引き渡すこと
現状渡しとは、不動産の欠陥や不具合を修繕せずに、そのままの状態で買主へ引き渡すことです。
一般的な不動産売却では、家の不具合は修繕したうえで買主に引き渡します。
しかし、老朽化が進んだ住宅は修繕費が高くなりやすく、現金を用意できないという方もいらっしゃるでしょう。
そこで検討するのが現状渡しです。
現状渡しであれば、不動産の不具合を買主に告知したうえで、欠陥を修繕せずに引き渡すことができます。

現状渡しにおける法的責任

現状渡しをおこなう場合、建物の傷や不具合をそのまま引き渡すことになるため、通常よりもトラブルリスクが高いという注意点があります。
現状渡しを検討するのであれば、以下2つの法的責任についてしっかり理解しておくことが重要です。

契約不適合責任

契約不適合責任とは、契約と異なるものを引き渡した際に売主が負う責任のことです。
契約書に記載のない不具合が見つかった場合、たとえ引き渡し後であっても、買主は売主に対して修繕や代金の減額、契約解除などを請求することができます。
これまで、不動産売買における売主の責任は瑕疵担保責任と呼ばれるものでしたが、2020年の民法改正で瑕疵担保責任は契約不適合責任へ変更となりました。
この改正により売主の責任がより重くなったため、不動産売却をおこなう前に内容をしっかり理解しておく必要があります。

告知義務

告知義務とは、物件の状態をすべて買主へ告知しなければならないという売主の義務です。
たとえば物件に雨漏りがあると知っていながら、買主に伝えずに売却したとしましょう。
入居後に買主が雨漏りに気づいた場合、売主は告知義務を怠ったとして責任を負うことになります。
ただし、契約書に雨漏りがあると記載したうえで、買主が了承して購入した場合は、売主の責任とはなりません。
契約不適合責任を問われないようにするためには、不動産の状態を隅々まで把握して、不具合があれば契約書に記載することが大切です。

不動産売却における現状渡しのメリット

ここでは、現状渡しのメリットを3つご紹介します。
また買主側のメリットも解説するので、あわせて確認しておきましょう。

手間やコストがかからない

現状渡しで売却する場合、物件の修繕をおこなわずにそのままの状態で引き渡すため、修繕費用や手間がかからない点が大きなメリットです。
また、買主が気に入った家具や家電を引き取ってくれることもあり、私物の処分にかかる手間やコストを省けることもあります。

早期売却が期待できる

前述したように、現状渡しをおこなう場合、建物の修繕が必要ありません。
通常の不動産売却では、修繕をおこなうために業者を探したり、打ち合わせをおこなったりしなければならず、売却活動の開始までに時間がかかってしまいます。
一方、現状渡しであれば工事期間をスケジュールに組み込む必要がなく、早めに売却活動を開始できる点がメリットです。

買取であれば契約不適合責任が免責になる

不動産の売却方法には、仲介と買取の2種類があります。
仲介は不動産会社にサポートを依頼して買主を探す方法で、買取は不動産会社に直接不動産を売却する方法です。 
仲介で現状渡しをおこなう場合は、物件の不具合はすべて契約書に記載しなければなりません。
契約書に記載のない不具合があとから見つかった場合、売主の責任となり修繕費用を負担する必要があります。
一方、現状渡しで買取を依頼する場合、契約不適合責任が免責になるケースがほとんどです。
契約不適合責任が免責となると、あとから不具合が見つかったとしても、売主が責任を問われることはありません。
不動産の状態がよくわからない相続物件など、仲介で売却するのが不安な不動産に関しては、不動産会社による買取を検討してみましょう。

買主側のメリットとは?

早期売却が可能になる点は、買主にとってもメリットになります。
一般的な中古住宅を購入する場合、修繕工事やリフォームの期間が長引き、引き渡しまでに時間がかかることも少なくありません。
転勤やお子さんの進学に合わせて引っ越しを進めたい方からすると、大きなデメリットとなってしまいます。
その点、現状渡しであれば工事にかかる時間を短縮できるため、スケジュールにあわせて入居が可能です。

不動産売却における現状渡しのデメリット

最後に、現状渡しのデメリットも確認しておきましょう。
通常よりもトラブルリスクが高い
現状渡しは、通常の不動産売却に比べてトラブルに発展するリスクが高いというデメリットがあります。
なぜなら、物件の欠陥を修繕せずに買主へ引き渡すため、売主も把握できていなかった不具合があとから出てくる可能性があるためです。
契約書に記載のない不具合があとから見つかった場合、売主は契約不適合責任を追求されてしまいます。
このようなトラブルを回避するためには、売却前のインスペクションがおすすめです。
インスペクションとは、住宅診断士がおこなう建物の状況調査です。
欠陥や修繕すべき箇所がわかるため、それらを契約書に記載すれば売却後のトラブルを未然に防げるでしょう。

相場に比べて売却価格が低くなりやすい

現状渡しで不動産売却をおこなう場合、売却価格は相場よりも低くなるケースがほとんどです。
建物に不具合のある状態で売り出すため、市場価格で売り出してもなかなか買い手がつきません。
また買い手が現れたとしても、値引き交渉を受けるのが慣例となっています。
現状渡しで売却する場合は、不動産会社と相談しながら、値引交渉を受けることを前提に売り出し価格を設定するようにしましょう。

買主側のデメリットとは?

現状渡しによる買主側のデメリットは、リフォームや修繕工事の費用が高額になるケースがあることです。
すぐに修繕する必要はないからと不具合を放っておくと、結果として修繕費が高くつくこともあります。
修繕箇所や時期がわかれば、買主も計画を立てやすくなるため、そういった意味でもインスペクションの実施をおすすめします。

まとめ

現状渡しとは、建物の欠陥や不具合を修繕せずにそのままの状態で引き渡すことをいいます。
現状渡しをおこなう場合、建物の欠陥をすべて把握して契約書に記載することが重要です。
もし「仲介では売却が難しそう」と感じるのであれば、不動産会社による買取を検討しましょう。
私たち「センチュリー21住宅工営販売」は、八王子市を中心に不動産売却のサポートや不動産買取をおこなっております。
不動産を現状渡しで売却したい方や、買取をご検討中の方は弊社までお気軽にご相談ください。